INTERVIEW
社員インタビュー
「恒電社のみんなが“ありたい姿”になれるように、私は少し前を歩いていたい。」事業部長としての責任感と働く上で大切にしていること
- 入社年
- 2018年
- 部署
- エネルギーマネジメント事業部 事業部長
- 略歴
- 金融機関、信用調査会社での営業職を経て、2018年に恒電社に参画。入社当初より法人営業を担当し、2022年からはエネルギーマネジメント事業部長に就任する。現在は事業統括に加え、会社全体の組織改善にも携わる。
自家消費型太陽光発電システムを中心として、お客様の再生可能エネルギー導入や電力使用の効率化を支援する、エネルギーマネジメント(EM)事業部。
同事業部にて、事業部長を務める折原は「恒電社のみんなが『あるべき姿』や『ありたい姿』になれるように、私は少し前を歩いていたい」と語る。
2018年、法人営業チームがまだ存在しなかった恒電社に、金融業界から異色の転職を果たした折原は何を考え、何を実践してきたのか。そして今後は、恒電社を率い、何を目指すのか。営業職に留まらず活躍の幅を広げる同氏に聞いた。
目次
現在の業務内容について
———現在の業務内容を教えてください。
EM事業部の部長として、営業チームと施工管理チームの統括を行っています。
統括責任者としての主な役割は、営業と施工管理、それぞれの進捗状況を把握し、各チームが効率的に連携できるようにすることです。日々、両部門が抱える課題をヒアリングし、それを解決するためのサポートを行っています。
———自家消費型太陽光発電設備は、初回の商談から契約、施工を経て、実際に運転が開始するまでに長い時間を要すると思います。一連の進捗がスムーズに流れるように、現場メンバーのサポートを行っているということですね。
そのとおりです。事業部のみんなが効率的、そして生産性を高く仕事ができるにはどうしたら良いのかを常に考え、全体がスムーズに機能するように調整することを心がけています。
自家消費型太陽光発電システムという商材の特性上、お客様だけでなく金融機関や商社、協力会社など様々なステークホルダーと関わりが必要になります。プロジェクトをスムーズに進めるためには、営業担当も施工管理担当も「調整力」を身につけなければなりません。
そのため基本的には、自分がオペレーションを担当しないよう心がけています。自分が現場に入りすぎると、全体の視点が失われてしまうからです。繰り返しになりますが、全員が結果を出しやすい仕組みを作ることが、統括の役割だと考えています。
恒電社入社のきっかけ
これまでの経歴
———折原さんのこれまでのキャリアについて教えてください。恒電社に入社する前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
恒電社に入社する前には、2社経験しています。1社目は金融機関、2社目は信用調査会社で、大卒から現在まで、いわゆる営業職をずっとやっていたことになります。
恒電社のことを知ったのも、前職の信用調査会社で恒電社を担当したことがきっかけです。
———そうだったんですね。その後、どのような経緯で入社されたのでしょうか?
担当させていただいたのは約1年ほどでしたが、その間に複数回、代表の恒石さんとお話しする機会がありました。
その時期はちょうど恒石さんが、自家消費型太陽光発電事業への参入を検討しているタイミングだったんです。
恒石さんは“未来の子どもたちのためになる仕事をしたい”という思いが強く、「自分の子どもにも誇れる仕事を一緒にやらないか」と冗談交じりに誘ってくれたんです。
そして、それを私が鵜呑みにしたのが入社のきっかけです。(笑)
———折原さんご自身も転職を考えていた時期だったんですか?
正直、転職自体は考えていなかったです。
当時の考えを伝えるためには、1社目の経験からお話しして良いですか?
———ぜひ、お願いします。
遡って考えると、金融機関では取り扱い商材が多すぎて、お客様に十分な提案ができている実感がなかったんです。
何度かトップランカーの成績を収めましたが、それでもなお、提案の幅が制限されているとストレスを抱えていました。そこで、自分の課題解決能力を伸ばしたいと思い、また待遇アップも考えて信用調査会社に転職しました。
信用調査会社では、自分なりに提案営業を存分にやることができました。例えば、取引先企業の信用度を明らかにし、それをもとに、どこに注力すべきか助言する。
営業力アップのセミナーや、決算書の読み方を学ぶセミナーの提案、あるいはホームページ制作の提案なども行いました。
———信用調査会社では、課題解決の幅を広げることが出来たんですね。ただ、直接的な課題解決をしている実感はそれほど強くなかったということですか?
そうですね。提案自体は課題解決型でしたが、実感としては限られた範囲内に留まっていました。そんな中で恒石さんと出会えたのは、タイミングが良かったと思います。
「未来の子供たちのために」という思いや、「自分の子供に自慢できる仕事をしたい」という言葉が響いて、すごく素敵だなと思いました。
特に転職を考えていたわけではなかったのですが、その魅力に惹かれて決断しました。
創業者への尊敬の念
———当時の恒電社について、どのような印象を持たれていましたか?
入社前は信用調査会社にいたので、業績については把握していて、勢いのある会社だと感じていました。
もっと感覚的な話をすると、埼玉の家族経営の“中小企業らしい”印象もありましたね。
創業者が社長を務める企業に勤めるのは初めてだったので、それまでの経験とは違うものになるだろうなと、ある種の覚悟をもって入社を決意しました。
———“創業者が社長を務める企業”には、どのような印象を持たれていたんですか?
誤解を恐れずに言うと、ある種独裁的、つまりトップダウン的な意思決定がなされる部分も多いのではないか、という印象です。ただ、私自身はそれが企業の成長フェーズとして必要なこともあると考えています。
―――詳しく聞かせてください。
私は、創業者の方々に対して、心から尊敬の念を抱いています。
自分にはない勇気や覚悟を持って会社を立ち上げ、仲間を増やしていく姿勢は、本当に凄いことだと思います。
金融機関や信用調査会社で多くの経営者と出会う中で、特に創業者の社長に対して強い尊敬の念を抱くようになりました。経営者の方々が時に辛い思いや孤独を抱えながら、それでも会社を支えている姿を見てきたことは、今の仕事にも繋がっていますし、とても貴重な体験だったと感じています。
―――当時、恒石さんが自家消費型太陽光発電の事業を拡げていきたいと考えていながら、法人営業専任の部隊がなかったことも、創業経営者ならではの悩みだったわけですもんね。
恒石さんがいつから、“脱下請け”の思いを持っていたのかは分かりませんが、その考えをよく口にされていましたね。
ただ、「提案力がまだ足りない」という課題も挙げられていて、“脱下請け”を目指す会社の方向性と、私がやりたいことが合致したのは非常に良いタイミングだったと思います。
入社後
入社後のギャップ
———創業者社長の下で働く覚悟を持って入社されたというお話でしたが、実際に入ってみて、最初の印象や数年働いてみて感じたことはいかがでしたか?
求めていたことと、やりたいことに大きなギャップはありませんでした。
ですが、これまで数千人規模の会社に在籍していたこともあり、オペレーションや社内インフラが整っていない部分にはギャップを感じました。それが時として非効率だなと思うこともありましたね。
例えば、社内ポータルのような仕組みがこれまで勤めていた会社にはあったのですが、恒電社には存在していませんでした。
———社内ポータルというのは、例えばChatworkやBoxのようなツールのことですか?それとも、イントラネットのような仕組みのことですか?
イントラネットに近いですね。一つのプラットフォームにアクセスすると、規定やマニュアル、手順書、見積もり作成ツール、CRMなどに飛べるような仕組み。そういったシステムに触れた経験はあったものの、もちろん自分で作ったことはない。
今でこそIT化も進み、情報が整理されてきましたが、入社直後は正直頭を悩ましました。(笑)
———業務上でのギャップについてはいかがでしょうか?前職から長年営業職として働かれてきた折原さんですが、電気設備や太陽光の業界は初だったと思います。
商材が変わっただけで、悩みを聞いて解決するという点では、本質的には同じです。
ただ、一つ難しさを感じたのは、見積もり作成の時ですね。前職までは主に定額制だったので、「この商材なら、いくら」と決まっていたんです。ところが建設業では時価が関係してくるので、それに合わせて見積書を作成する必要がある。
部材の単価は為替レートにも左右されますし、電気使用量や屋根の広さによっても提案内容が変わるので、単純計算では出せない部分が多いんです。
―――案件ごとに条件が異なるため、毎回異なる提案が求められるんですね。
その通りです。そもそも以前は無形商材を取り扱っていて、契約が成立すると成果物は情報や金銭のようなものでした。そのため、契約から成果物の引き渡しまで即座に完結することが多かったんです。
しかし、有形商材の場合、ハードとしての成果物を引き渡す必要があります。その過程で「作る人の費用」なども考慮しなくてはならず、最初はその点が大変でした。
また、当時は見積もり作成の際に明確な答えがなく、どのくらいのコストがかかるのか、特に材料費や作業費の設定について悩むことが多かったです。会社としての基準も曖昧だったんです。
———恒電社も現在は、様々な基準を設けていると思います。何が変化のきっかけだったのでしょうか?
大きな転機があったわけではありませんが、変化の背景には、人が増えたことがあったと思います。
私自身、それまで自分だけで考えていたことを共有する必要が出てきたときに、根拠を明確にする必要性を感じました。
以前は少人数で、各個人の裁量に任せていた部分も多かったのですが、人が増えると部署間でルールを共有しなければ、業務がとりとめのない状態になってしまいます。
私の場合エネマネ(EM事業部)が出来たときから関わっていたので、基準やルールの明確化には特に強い思いがあると思います。
仕事のやりがい
———やりがいについてはいかがでしょう?現在の立場とこれまでの立場での違いはありますか?
営業職として働いていた頃は、直接お客様から「ありがとう」と言われることがやりがいでした。
統括責任者としての現在は、自分だけではなく、社内のみんなが「ありがとうと言ってもらえる存在になってほしい」と思うようになりました。もちろん社内だけでなく、協力会社さんや一緒に働く仲間が「ありがとう」と言われる場面を作りたいという気持ちは強くなりましたね。
個人として結果を追い求めるよりも、組織全体で成果を出すことを考えるようになったのは、これまでとの大きな違いだといえます。全体を見渡してチームが動きやすくなるように環境を整えることが主な役割になり、それが今のやりがいにつながっています。
———それは、なぜ変わったと思いますか?
環境が変わった影響もありますが、役職としての責任を全うするためにどうあるべきかを考えるようになったことが大きいです。
また、細木さんの研修でマネジメントを体系的に学んだことで、自然とそのような考え方が身についたのだと思います。
もし営業プレーヤーだけを続けていたら、この考え方には至らなかったかもしれません。
「青いライトセーバーを自身を持って振ることができる」
恒電社の変化について
———入社から現在までで、変わってきたこと、変わらないことは何ですか?
変わったことは、本当にたくさんあります。業界的にも、まだまだ変化の過渡期だと思いますし、今後も変わり続けると思います。
一つ例を挙げるならば、営業部隊と工事部隊という区分から、エネマネ(太陽光発電)とエンジニアリング(電気設備工事)の事業部制に移行したことで、社員一人ひとりが以前にも増して責任感を持って業務に取り組むようになったと感じています。
一方で、変わらないのは「正々堂々」という価値観です。
現在は会社のバリューとしても掲げていますが、これは私が入社する以前から、今も変わらず続いていると感じます。
特に営業職を経験された方には想像しやすい話だと思いますが、顧客のニーズを超えた提案を行い、ときには余計な提案をしてしまうことは、往々にして起こり得ます。
私自身や他のメンバーも、これまでの仕事で、顧客のニーズに必ずしも沿わない営業活動をせざるを得ない場面があったんだと思います。その結果、後ろめたさを感じることも少なくない。例えるなら、以前は赤いライトセーバーを振り回していたんです。
それが今では青いライトセーバーを自信を持って振ることができる。営業マンとして、こうした状況は非常に気持ちが良いものなんです。だからこそ、「正々堂々」という言葉が輝いて見えるのだと思いますね。
———青いライトセーバーを振ることができるのは、商材や業種だけではなく、会社のスタンスそのものが関係しているように感じますね。
そうですね。会社のスタンスが大きいと思います。
企業規模が大きくなればなるほど、パートナー企業も増えて、政治的に扱わなければならない商材も多くなってきます。さらに、目標が年間で設定される中、顧客のニーズを薄々感じながらも、パワー営業で成果を作る必要がある。そういった状況に比べると、今の環境は非常に居心地が良いと感じます。
もちろん、同じ中小企業でも政治色の強い会社もあるでしょうし、そうであればまた違った話になるかもしれません。「数字を立ててこい」とだけ、求められる環境ではないので、ありがたいです。
エネルギーマネジメント事業部
本質を捉える
———それでは、エネマネの現在のメンバーについてお伺いします。現チームメンバーに共通する良いところや特徴的な点はありますか?
みんな思いやりがあるところが良いなと思います。これは、純粋に性格的な共通点です。
その上で、私が普段からみんなに伝えていることは本質を捉えること。最近では、部内でもその働き方が浸透してきているように感じます。
———「本質を捉える」とはどういうことでしょうか?
例えば、お客様や協力業者さん、あるいは社員などから相談を受けたとき、それを解決する手段が本当に適しているか、根本的な解決になっているかどうかを考えます。
本質を捉えられていない場合は、短期的な解決にしかならず、時間が経つとまた同じ問題が発生してしまうからです。対処療法に終わらないよう、根本療法を目指す考え方に近いですね。
バランスの取れた関係
———その他、お客様とのやり取りや社内のコミュニケーションで、大切にしていることはありますか?
私は「バランスの取れた関係」をとても大切にしています。公平であり、win-winな関係であることが重要だと考えているんです。その思いが一方的になってしまっては、本当の意味での信頼関係は築けないと思うんです。
表面的な関係ではなく、しっかりとした信頼があるからこそ、お互いに長く良い関係を築けると信じています。
———「バランスの取れた関係」を意識するようになった背景には、何かきっかけがあったのでしょうか?
おそらく、過去の“ゴリゴリ”した営業提案の経験が影響している部分もあると思います。
以前は、とにかく結果を出すことを優先していましたが、それが本当に相手のためになっているのか、疑問に感じることがありました。
先程お話ししたとおり、転職してキャリアを重ねるにつれて、相手にとって本当に価値のある提案とは何かを考えるようになり、それが結果的にwin-winの関係につながると実感するようになったんです。
———お客様だけでなく、社内でのコミュニケーションにも通ずる考え方ですね。
その通りです。私は、相手の役職や立場によって態度を変えるべきではないと考えています。
誰に対しても誠実に向き合い、尖りすぎないコミュニケーションを心がけています。この姿勢は、前にお話しした「本質を捉えること」とも深くつながっていると思いますね。
みんなの「少し前を歩いていたい。」
「優秀な営業マン」とは?
———折原さんが考える「優秀な営業マン」とはどのような人物でしょうか?
はい、優秀な営業とは「勇気を持っている」「自信を持っている」そして「継続力がある」営業マンだと思います。
EM事業部の法人営業では、経営者や経営層などを相手にお話をすることが少なくありません。その際「勇気」や「自信」、言い換えるならば、こちらも相応の覚悟がないと失礼な対応になりかねません。
もちろん、時にご提案を断られることもあります。そして、それを繰り返していると、営業活動自体が嫌になってしまうこともあります。しかし、そのような状況でも継続して努力できる人は、最終的に相手から選ばれる営業マンになれると思います。
営業マン自身がキラキラとした人物像であれば、相手から慕われ、信頼される存在になれるのではないでしょうか。
———ありがとうございます。それでは、優秀な管理職(マネージャー)についても、お考えを聞かせていただけますか?
はい、優秀なマネージャーには四つの要素があると思います。
一つ目は、部下が「何のために仕事をしているのか」という意味を見出せるようにすること。
二つ目は、部下を承認してあげること。
三つ目は、部下を尊重してあげること。
四つ目は、成長を支援してあげることです。
昔から言われている「思いやり」をもうひと段階ドリルダウンしただけのことなんですけどね。以前のように「見て学べ」という考えではなく、相手が人であることを思いやり、行動することが大切だと考えています。
———なるほど。それはやはり、ご自身が部長という立場になったことで考えるようになった部分が大きいですか?
そうですね。半年ほど前まではそのような考え方でした。もちろん、更にその上のゼネラルマネージャーのような役割には、また別の視点や役割が必要だと思います。今はそんな役割について模索している段階ですかね。
自分が管轄している一つのセグメントだけではなく、多面的に会社全体を見たときに何をすべきかを考えるべき立場になってきているとも思っています。
恒電社でやっていきたいこと
———では、これから恒電社でやっていきたいことはありますか?
はい、抽象度MAXで言いますが、恒電社のみんなが「あるべき姿」や「ありたい姿」になれるように、私は少し前を歩いていたいと思っています。
———「少し前を歩く」とても素敵な表現ですね。なぜ、そのように思われるのでしょうか?
私自身、これまで多くの成功している方や素敵な考え方に触れ、それを模倣しつつ、少しだけオリジナリティを加えることで今の自分があると思っています。
そのため、何かしらの「お手本」がないと、人は「あるべき姿」をイメージしにくいのではないかと感じるんです。
だからこそ、私はみんなの少し前を歩く存在でありたいと思っています。
恒電社に向いている人
———では最後に、恒電社に向いている人はどんな人だと思いますか?
これまでの社員インタビューで皆さんそれぞれ答えられていると思いますが、私があえて回答するとしたら、「社員インタビューを読んで何か一つでも共感できる部分がある人」だと思います。
———「何か一つ」で良いんですか?
はい、欲張らずに、一つで良いと思いますよ。それが、その人にとって転職のきっかけや軸になるのではないでしょうか。「軸」があれば、入社後も頑張るためのモチベーションや成長の土台になると思いますね。
要するに、一つの会社にはたくさんの人がいるわけですが、「誰と働くのか」という部分が非常に重要だと思っています。だからこそ、その人の考え方に共感できる人がいる会社であれば、長く続けられるのではないかと思います。
———折原さん、ありがとうございました!