INTERVIEW
社員インタビュー
「ご提案こそ電気工事士の面白み。」お客様の言葉の裏側にある、真のニーズを汲み取る技術者とは?
- 入社年
- 2012年
- 部署
- 電気工事士/施工管理士
- 略歴
- 通信工事(光ファイバー)や、オール電化に代表される住宅の電気工事業などを経て、恒電社に入社。現在は、法人向け電気設備工事の提案から施工までを担うエンジニアリング事業部のマネージャー職に加え、技術者の視点から自家消費型太陽光発電システムの現場管理も行う。
「工事をして、お客様に喜んでもらうのは電気工事士として当たり前。」
試行錯誤して導き出した自分のご提案を、お客様に納得してもらうことこそが、この仕事の醍醐味だと語るのは、エンジニアリング事業部でマネージャーを務める鷲巣純一。
2012年に入社し、ご家庭向け電気工事から自家消費型太陽光発電まで、時代と共に変革し、幅広い事業に携わってきた彼に、それまでの半生や「恒電社で働くこと」について聞いた。
目次
お客様に、ご提案を納得してもらえることは「純粋に嬉しい。」
現在の業務内容について
——— まず、現在の業務内容について教えてください。
今の仕事内容は大きく分けて2つあります。
1つはエンジニアリング(以下 ENG)事業部にて、BtoBの電気設備工事の施工管理をしていること。もう1つは、エネルギーマネジメント(以下 EM)事業部における自家消費型太陽光発電の現場管理の仕事です。
———それぞれの仕事について、詳しく聞かせていただけますか?
ENG事業部では、お客様のニーズに合わせてヒアリングや現場調査を行い、工事内容を決定します。その後、必要な部材やかかる工数を計算して、見積もりをご提出。そして、実際に工事を行なって、電気設備を納めるという一連の流れを任せていただいています。
一般的には、社内に営業担当がいて、見積もりや請求書を作成する部隊がいて、工事する部隊がいて、と分業する会社も少なくないと思いますが、恒電社のENG事業部では、その体制はとっておらず、電気工事士一人ひとりが一気通貫して請け負います。
もちろん、案件によっては一人でプロジェクトを進めることが難しいときもありますので、部内で助け合ったり、他部署にサポートしてもらったりして、日々働いています。
———EM事業部の仕事内容についても聞かせてください。
EM事業部では、施工管理の方々の業務のうち現場管理部分をお手伝いさせていただいている感じですね。
現場では、実際に工事をしてくれる協力業者さんとの連携がとても重要になります。自分自身も電気エンジニアなので、技術者の視点で施工のクオリティをチェックし、改善点があれば指摘する役割を担っています。
———具体的に、どのような点をチェックするのでしょうか?
協力業者さんによって異なる前提で話しますが、施工をしてくれる会社は「現場を納める」ことを目的としていることが多いです。
一方で、恒電社がお客様に提供するうえで目標としているクオリティーは、非常に高い。例えば、PCS(パワーコンディショナー)の配線ルートや見栄えも、私たちは重要視しています。
せっかく工事してもらったのに、再度手直しをお願いするのは、お互いに気持ち良いことではないので、そういったことが発生しないように、協力業者さんと入念に事前打ち合わせをして、恒電社が大事にしている想いや、目標としているクオリティーをきちんとお伝えするようにしています。
エンジニアとしての“やりがい”
———日々の仕事のなかで、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
ENG事業部において見積もりの提案後に、お客様から「これでお願いします」と言われる瞬間ですね。
例えば、お客様は「この照明を付けてほしい」というご依頼をして下さるわけではないんですよ。「この部屋を明るくしたい」というニーズに対して、照明器具も設置方法も色んな選択肢があります。その選択肢の中から、自分が最適だと思うものを選定し、設計し、ご提案する。
試行錯誤して考えた自分のご提案が、お客様に伝わって、納得してもらえることは純粋に嬉しいです。
工事が完了してお客様に「ありがとう」と言われるのももちろん嬉しいですが、提案の段階で認められることに特にやりがいを感じます。
実は前職までは、工事のみを行う部署にいたんです。これは今だから言えることかもしれませんが、私たちは電気工事士なので、電気工事をきちんと行うことは当たり前なんですよ。
恒電社に入って、それまでやってなかった現場調査、見積もり作成、ご提案等をするようになったんですが、今はそんな仕事こそが、電気工事士の面白みだと感じていますね。
入社時は「恒電社=工事会社」だった。
恒電社に入社したきっかけ/決め手
———そもそも、この業界に入ったきっかけや前職までの経歴を教えてください。
キャリアの最初は、某大手レストラン業の会社で事務員として働いていました。
高校も大学も電気科に通っていたので、将来は電気関係の仕事をしたいと思っていたんですが、大学在学中に交通事故で両親を亡くしたことをきっかけに、警察官になろうと考えたんです。
体を動かす仕事をしながら、警察官を目指して勉強するのは難しいと判断して、事務職に就きました。
2~3年ほど、日中は事務員として働いて、自分の時間に勉強する生活を続けたのですが、現実は思うようにいかず…。であれば、長年学んできた電気関係の仕事をしようと決意し、転職しました。
———そのような過去をお持ちだったんですね。引き続きご経歴を聞かせてください。
二社目はNTTの下請けの工事会社に入社しました。
電気工事もやっている会社だったんですが、時代の流れを受けて全盛期だった、光ファイバー工事を担当していました。通信工事もインフラとして重要なのは理解しましたが、やはり「電気工事がしたい」という感情が消えず、再度転職を決めましたね。
その後、BtoCのオール電化の会社でようやく電気工事士の職に就くことができました。10年間ほどその会社で勤めていたんですが、オール電化も“時の商品”の色が強く、次第に業績が悪化。会社は倒産することなりました。
そして、恒電社にたどり着いたという感じです。
実は恒電社の求人を見たのはハローワークだったんですが、私がハローワークに初めて行ったその日に恒電社の募集が開始されたらしいんです。
面接第1号として選考に臨んで、採用してもらい、今に至ります。
——— 当時は、まだ太陽光発電事業も始まっていない時期ですよね?
そうですね。私が前職で行っていたオール電化も扱っていると知り、応募したくらいなので…。恒電社もBtoCの電気工事の割合が多かったです。
会社として産業用太陽光に着手しだしたのは、私が入社して1年後くらいだったと思います。
——— 入社後に感じたギャップはありましたか?
ギャップというか、予想以上に工事だけでなく、提案から施工まで一貫して担当する仕事の幅広さに驚きました。でもその分、仕事のやりがいも大きく感じられるようになりました。まさに先ほどお話した、今の仕事の面白みの部分です。
———長年働かれている中で、時代の変化を感じることはありますか?
私が入社した頃は「恒電社=工事会社」でした。
社員のほとんどが電気工事士でしたし、事務的な仕事を担当してくれている人も2~3人だったと記憶しています。良くも悪くも“職人の会社”という感じで、代表の恒石さんとの距離も今よりも近く、みんなで和気あいあいと頑張っていましたね。
今は、組織がしっかりと体系化されていて、情報伝達や意見の共有に関する仕組みもしっかり整備されています。すごく抽象的ですが「良い会社で働いているんだな」という安心感が一層強まりました。
恒電社の中の自分
———そんな現在、ご自身にはどのような働きが期待されていると思いますか?
回答として合っているか分かりませんが、私自身はもっとマネジメント力を高めて、経営的な視点を身に着けていきたいと考えています。
恒電社のクレド(行動指針)は、私を含めミドルマネジメント層を中心に策定しました。そのキックオフMTGの際に、恒石さんも含めてENG事業部のメンバーで「仕事をするうえで大切にしたいこと」や「恒電社はどんな会社を目指すのか」を話し合う場があったんです。
その時に、恒石さんの視点が自分と比べてとんでもなく先を見ていることに驚愕しました。同時に、おこがましいながらも、悔しさに似た感情を覚えたんです。
恒電社に入社して12年ほど経過しました。工事の分野では、当時の恒石さんに負けない実力が身に付いたと思わないこともありません。昔は一緒に現場で作業することもありましたから、それはそれで一つ胸を張れることです。
しかし、あの日は「これほどまでに視点や視座が違うのか」と思わされました。
経営層と少しでも同じものを見れるように、まずはマネジメント力をもっと磨いていきたいです。
思慮深く相手の話を聞き、裏側にあるニーズを理解する。
働くうえで大事にしていること
———お客様と接するときに気を付けていることはありますか?
当たり前のことですが“礼儀”ですね。
お客様は工事業者、もっというと電気工事士に対して「職人気質」のイメージを持っている方も多いと思います。実際、前職までの自分を顧みても、工事担当として現場に行く時には営業観点でのご挨拶や会話が出来ていたか自信がありません。
そんな反省もあって、特に初対面の際は、礼儀正しく振る舞って、良い印象を持っていただけるよう意識していますね。
———社内連携において大事にしていることも伺って良いですか?
社内では、特に忙しそうな仲間をサポートするように心がけています。
恒電社は少ないメンバー、いわば「少数精鋭」で仕事をしているので、みんなが忙しいことをお互いが分かっているんですよね。それもあって、多少忙しくても一人で何とかしようとする風土が、なんとなく出来てしまっている現状があります。
責任感という意味では素晴らしいことなんですが、やはり無理をするのは良くないことなので、手が空いた際には、みんなの少しでも負担を軽減できるように、自分から声をかけて手助けするようにしています。
「優秀な電気工事士」とは?
——— そんな鷲巣さんが考える「優秀な電気工事士」とはどんな人ですか?
お客様のニーズを的確に捉え、期待以上の仕上がりを提供できる人だと思います。分かりやすくエアコン工事を例にお話しさせてください。
お客様が「交換してほしい」と言われたから、ただエアコンを交換するだけではなく、そのエアコンが本当にお客様の環境に合っているのかを考える。恒電社の中で「優秀な電気工事士」はそんな人です。
機器の性能はもちろん、仕上がりの美しさにも気を配って、本当にお客様が満足できるかどうかを、現地調査時点でしっかり考えて、持ち帰って設計し、工事内容をご提案できる人が優秀だと。
——— では、そうなるためにはどのような行動や思考が必要だと思いますか?
お客様の言葉をそのまま受け取るだけでなく、その裏にある本当のニーズを汲み取る力が大切だと思います。お客様がエアコンを交換したいと言っても、実際には「新しいエアコン」を求めているのではないんです。
お客様が本当に求めているものは「快適さ」である場合が多いので、そんな言葉の背景にあるニーズを理解することが必要です。
思慮深く相手の話を聞く、言葉の行間を読む、そのような行動・思考が重要になりますね。
恒電社は「主体的に動きたい人に向いている。」
今後について
———今後、恒電社でやっていきたいことはありですか?
現在は高橋さんがENG事業部のトップを務めていますが、工事によっては高橋さん自身が現場に出向かざるを得ない場面があります。
本来、マネジメント職である高橋さんは、事務所にいて、指示をする立場になるべきだと思っているので、まずは今高橋さんが担っているポジションを私が担えるようになりたいと思っています。
そして、その次の目標としては、自分が工事部門をまとめる立場になって、みんなが安心して働けるようにサポートしたいですね。
——— 最後に、恒電社にはどんな人が向いていると思いますか?
主体的に動きたい人には向いていると思います。
特に工事から提案までを一貫してやる仕事なので、責任感と裁量権を持って自由に動ける人が合っていると思います。決められたことをやるだけでなく、主体的に考えて行動できる人が、恒電社では活躍できるのではないでしょうか。
——— ありがとうございます。聞き方を変えて、鷲巣さんはどんな人と働きたいですか?
これも似た回答になりますが、「考えてくれる人」ですかね。
最初から、「自分で考えて、動いてくれ」と言うつもりはありません。そんな人いないですから。それでも、「この工事は、何のためにやっているんだろう?」と疑問を持ったり、工事の目的を考えてくれる人は伸びると思いますし、是非一緒に働きたいですね。
電気工事は、案件によって毎回内容が違いますし、同じ現場はありません。それでも日々の積み重ねで、徐々に見える世界が広がってきて、点と点が繋がるように、ある時分かる領域がグッと広がるんですよ。
それまで、大変なことも多いと思いますが、ぜひ一緒に“考えて”働いてくれる人は大歓迎です。
———鷲巣さん、ありがとうございました!